Crusoe、39億ドルを調達し大規模データセンターとモジュール型AI工場を拡大
導入
AI向け計算資源の確保をめぐる競争は、データセンター事業者にも巨額の資金を呼び込んでいる。データセンター開発会社Crusoeは、シリーズFで39億ドルを調達したと発表した。今回の資金調達により、同社の評価額は309億ドルとなった。ラウンドはAtreides Management、Mubadala Capital、Valor Equity Partnersが共同で主導し、Founders Fund、GIC、Nvidia、カタール投資庁、Radical Ventures、TPGなども参加した。
資金の用途は大型施設の建設だけではない。Crusoeは、Sparkと呼ぶ小型モジュール型AI工場の展開も進める。これらは自社施設で製造し、トラックで運搬したうえで、大規模な電力源に接続する構想だ。
主なポイント
- 新資金は既存のデータセンタープロジェクトを支援する。OpenAIが利用するテキサス州アビリーンの大型拠点も含まれる。
- Sparkは、巨大な建設現場と同規模の作業員を必要とせず、計算能力を比較的迅速に配置することを狙う。
- 収益源は、自社GPUを持ち込む顧客へのスペース貸し出し、自社GPUのレンタル、AI推論向け計算資源の販売の3つで構成される。
- Bloombergによると、Crusoeは量的取引会社Jane Streetと、5年間で130億ドル規模のクラウド契約を結んだ。
- 同社は昨年10月にも13.8億ドルを調達し、その時点の評価額は100億ドルだった。IPOの可能性について投資銀行と協議したとも報じられている。
暗号資産マイニングからAIインフラへ
Crusoeは2018年、通常なら燃焼処理される随伴天然ガスを電力として利用する暗号資産マイニング事業から出発した。その後、GPUとデータセンターへの需要が急増すると、AIインフラへ軸足を移した。現在の顧客にはMeta、Microsoft、Oracleが含まれる。
この転換は、AIインフラの競争軸が半導体だけではないことを示している。電力、施設、ネットワーク、冷却、そして計算能力を顧客へ届ける速度も重要な制約になっている。Crusoeはデータセンターのスペース、自社GPU、推論サービスを組み合わせ、複数の工程を一つの事業モデルでカバーしようとしている。
モジュール型施設が持つ意味
大型データセンターは大きな計算能力を提供できる一方、完成までの時間、電力設備、現地の建設人員が必要になる。また、土地利用や電力消費、地域インフラへの負荷を理由に、周辺住民から反発を受ける場合もある。輸送可能な小型施設は、導入期間や一部の立地上の障壁を抑える可能性がある。
ただし、モジュール化によって課題が消えるわけではない。安定した電力、ネットワーク、冷却設備、顧客システムとの接続は依然として必要だ。異なる場所で同じ方式を大規模に展開できるかは、今後の案件で検証されることになる。
Crusoeは新たな取締役として、CloudflareのCFOであるThomas Seifert、Primary Digital Infrastructureのパートナー兼CIOであるBill Stein、Redwood Materialsの創業者兼CEOであるJB Straubelを迎えた。今後の焦点は、調達資金を施設建設だけでなく、安定した計算能力の提供と持続的な収益へ結び付けられるかどうかにある。
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