Meta、ニュースサイトのスクレイピングを認めるとも読めた条項を削除
はじめに
Metaは商用規約を再び改定し、ニュースサイトを含むウェブサイトのコンテンツをAIの学習に利用できるようにも読めた文言を削除した。今回の問題は、Metaが実際にニュースサイトを大規模にスクレイピングしたと確認されたことではない。争点になったのは、規約の幅広い表現が、ウェブサイトやURL上の情報をAI製品の開発・学習に使う包括的な許可のように受け取られた点だ。
主なポイント
- 削除された文言は、対象となるドメイン、ウェブページ、URLのあらゆるコンテンツを、製品やサービスの提供、開発、改善、研究、学習などに使えるとしていた。
- Nieman Labや、デジタル・情報法を専門とするコーネル大学のJames Grimmelmann教授は、この表現が、ウェブから取得したコンテンツを無償でAIに利用し、robots.txtの指示を上回る権利をMetaが主張しているようにも読めると指摘した。
- Metaは以前、ウェブクローラーの利用方法に変更はなく、反対の見方は誤りだと説明していた。
- 最新の改定では問題の文言を削除し、統合されたクロール関連の規定は広告およびビジネス製品にのみ適用されると明確化した。
- Metaは、今回の変更によってコンテンツ所有者の意向を上回る新たな権利が生じるわけではないと説明している。サイト運営者は今後もrobots.txtでクローリングに関する希望を示せる。
この問題が重要な理由
今回の経緯は、AI企業とオンラインメディアの間にある権利関係の不透明さを浮き彫りにした。学習データ、ウェブクロール、生成AIサービスの商業化が進むなか、利用規約の一文が、許諾の範囲や利用目的、技術的な拒否手段に関する大きな疑問につながる。実際の技術運用が変わっていなくても、広すぎる規約の表現は、企業が先に権利を確保し、後から制限を説明しているという印象を与えかねない。
robots.txtは、サイト運営者がクローラーに対する希望を伝える一般的な技術手段だ。ただし、それがあらゆる商用規約や法域で直ちに法的拘束力を持つかどうかは、契約の文言、クローラーの実際の挙動、適用法によって変わり得る。今回の削除によって、AI学習データをめぐる著作権、ライセンス、対価の問題が解決したわけではないが、規約の誤読を招く余地は小さくなった。
Metaの説明からは、商用製品の規約上の表現と、既存のウェブクローラーの実際の運用を区別しようとする意図がうかがえる。今回の対応は、新しいスクレイピング能力の発表というより、規約の明確化とリスク管理に近い。AI企業には今後、広告サービス、ビジネス向けツール、AI学習をより明確に区別し、第三者コンテンツの扱いを透明に説明することが求められそうだ。
公開情報からは、Metaが問題の文言を使ってニュースコンテンツを取得・学習したと断定することはできない。
出典:The Verge AI
コメント
ログイン状態を確認中…
コメントを読み込み中…