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音声・オーディオ

Pocket FM、AIで音声コンテンツを拡大し年換算売上ランレート5億ドルへ

読了目安 4 分

インドの音声ストーリープラットフォームPocket FMは、生成AIをコンテンツ事業の中核インフラへと変えつつあります。同社によると、年換算売上ランレートは1年前の約2億5,000万ドルから、現在は5億ドルへ倍増しました。4月時点では約4億3,000万ドルでした。

このランレートは契約済みの継続収益ではなく、月間売上を12倍して算出したものです。現在の内訳は、ユーザーがエピソードを個別に解放する課金が約4億1,500万ドル、広告が約8,500万ドルです。同社は黒字で、調整後ベースではプラスのキャッシュフローを生み出していると説明していますが、利益や利益率などの詳細は公開していません。

AIが制作工程を大幅に短縮

Pocket FMでは、全カタログの93%にAIが関与し、新規コンテンツの99%がAIを使って制作されています。AIによって制作コストは約80分の1になり、従来は約1年かかっていた100時間分の音声制作が、現在は最短1日で可能になったといいます。

55万人を超えるクリエイターは、年間約250万時間分のAI活用コンテンツを制作しています。2年前、同社のカタログ全体は約10万時間分でしたが、現在は音声シリーズが77万作品を超えています。

ただし、Pocket FMは完全自動生成を目指しているわけではありません。人間のクリエイターがアイデアや物語、長期的なIPを設計し、AIが文章の展開や音声化などを大規模に処理する役割分担です。同社は過去の制作データとリスナーの反応を活用し、クリエイティブライティングや音声合成向けの独自モデルを訓練しています。

作品数の増加が継続率を押し上げる

コンテンツの急増は、リスナー維持にも影響しています。12カ月の売上維持率は、2年前の44%から76%へ上昇しました。同社は、嗜好の異なるリスナーにより多くの物語を提示できるようになったことが、改善の一因だと説明しています。

Pocket FMは20カ国以上で2億5,000万人超のリスナーを抱えています。最大市場は米国で、過去1年間に約70%成長し、年換算売上ランレートの約70%を生み出しています。英国、ドイツ、フランスにも進出しており、米国ではユーザー生成コンテンツも開始しました。

収益を生む作品も増えています。96作品がそれぞれ100万ドル超の売上を生み、そのうち13作品は1,000万ドルを超えたと同社は説明しています。

音声IPをAI動画へ展開

親会社のPocket Entertainmentは、音声で確立した制作モデルを動画へ広げています。開始から3カ月のマイクロドラマアプリPocket Sagaは米国のみで提供され、年換算売上ランレートは約1,500万ドルに達しました。Pocket FMと異なり、Pocket Sagaのコンテンツは完全にAIで制作されています。

Pocket FMで人気を得た音声作品を、従来型の実写撮影を使わずAI生成動画へ変換する試みも進めています。今後5年間で少なくとも2つの新たなエンターテインメント形式に参入し、成功した物語を書籍、テレビ、映画向けにライセンスする計画です。

同じIPを複数の形式で再利用できれば、制作効率と収益機会は広がります。一方で、作品の同質化、品質管理、クリエイターへの還元といった課題も残ります。人間が物語を設計し、AIが供給量を拡大する現在の方式が、効率と独自性を両立できるかが重要になります。

同社は投資家と新たな資金調達について協議しています。1億〜1億2,000万ドル、評価額約20億ドルとの報道がありますが、具体的な金額や評価額は確認していません。新資金はAIと新しいエンターテインメント形式に投じる見込みです。今後24カ月以内の上場は予定しておらず、将来的な上場先としてインドと米国の双方を検討しています。

出典:TechCrunch AI

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